かみ合わせ・全顎治療
全顎治療とは?
全顎治療はフルマウスリコンストラクションと呼ばれ、一口腔単位で治療方法を考えることです。むし歯を治療して詰め物や被せ物を装着するといった局所的な治療ではなく、むし歯・歯周病・審美面・噛みあわせ・顎関節を考慮して「個々人に適した治療」を計画することで、長期的な口腔内の健康を実現するために行います。
全顎治療のパターン
大きく4つのパターンに分けられます。
外科治療あり | 外科治療なし |
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矯正治療なし | 保険内での全顎治療 |
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治療パターンのメリット・デメリット
治療の種類 | 外科あり | 外科なし | 矯正なし | 保険内治療 |
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メリット | ・歯並びが改善される ・審美的に美しい ・補綴物が長持ちする |
・歯並びが改善される ・審美的に美しい ・補綴物が長持ちする |
・費用が抑えられる ・治療期間が外科より短い |
・費用が抑えられる ・治療期間が短い |
デメリット | ・費用がかかる ・治療期間が長い |
・費用がかかる ・治療期間が長い |
・噛み合わせが悪い ・補綴物が壊れやすい ・治療期間が比較的長い |
・抜歯部分が多い ・噛みにくい ・審美面が良くない ・再発の可能性が高い |
期間・費用 | 右に行くほど、治療期間が短い。費用もかからない。 |
治療後のメンテナンスが重要です。
全顎治療で口腔内がベストな状態になったら、その後は長期維持するためのメンテナンスが重要です。定期的に通院し、予防やむし歯や歯周病の早期発見を行いましょう。
当院からのお約束
- 患者様にとって最適・最善な治療をご提案します。
- 高額な治療を無理に勧めません。
- その場しのぎの治療は行いません。
相談を承っております。
全顎治療を検討の方のために、相談を承っております。
治療のことだけでなく、費用面でお悩みの方もご相談下さい。
お互いが納得した形で治療をすることが大切ですので、遠慮なくお申し付けください。
咬合について
噛み合わせが悪く感じるという問題に関して、その主訴に対する口腔内の問題点は、多岐にわたります。
口腔内の問題点
- 歯自体の炎症(カリエス、歯髄炎など)による感覚的な違和感によるもの
- 歯の解剖学形態から逸脱していることが原因であること。
- 歯列自体が三次元的に口腔内の適切な位置から逸脱していること
- 骨格的に問題があるもの
- 咬合の支点となる顎関節に問題があるもの
- 精神的な問題からくるもの
- その他
問題は以上のものが複合的に関与していることが原因をわかりづらくしています。そのためにも、様々な機器を用いて(CT、MRI、顎運動装置、模型診査、顔貌写真の解析、歯周病精密検査)などを用いて診査診断していく必要があります。
当院では、上記にあげた問題がある可能性(歯、歯列、骨格、関節、患者様が置かれている現状など)についての診査診断を細かく行います。
診査診断に関しては、資料を患者様毎に作成し、ご説明いたします。
また、一緒に問題点を解決していくことで、患者様が満足する答えを一緒に模索していくスタイルで診療を行なっています。
噛み合わせの治療の流れ
診査診断と治療に分けて治療を進めます。それぞれに対してご説明致します。
診査・診断
問診
まずは患者様と対面し、主訴について詳しくお話を伺います。
筋触診・顎関節触診
口の開閉に使用する筋肉と顎関節を触診します。筋肉に強張りがないか?顎関節に痛みがないか?を調べます。
顎運動診断
顎運動測定装置で顎の動きを調べます。顎の動きをデータ化し、診断することで、理想の噛みあわせと現状の噛み合わせのずれを発見することができます。
模型にて噛み合わせの診断
採取した模型を使用し、正しく噛めているかをを判断していきます。
顔貌写真による診断
願望写真を撮影します。願望写真による診断は、
- 顔の左右の対称性
- 下顎の長さや左右差
- 上顎と下顎の位置
- 頭蓋骨と上顎の位置
- 正中線を起点とした瞳孔専・上顎の前歯の位置
などをみることにより、精密な診断を行ないます。
レントゲン写真による診断
パノラマレントゲンやセファロレントゲンを用いて診断を行ないます。
CT・MRIによる診断
歯科用CT、場合によっては病院と連携してMRIの撮影を行ない、骨格的な診断を行ないます。
※CTは当院で撮影できます。
診断項目が多いと感じるでしょうが、ここまでしっかりと診査を行わないと、正確な診断結果はでないのです。
診断は、「根本的な原因の追求」です。
自転車のタイヤがパンクしたとしましょう。パンクしているのは現象であって、パンクした本質的な問題は”釘を踏んでしまったこと”です。
その根本的問題(釘を踏んでしまった)が解決出来ない限り、パンクしたタイヤをいくら直しても、いずれまたパンクしてしまいます。繰り返しパンクしてしまえば、いずれはタイヤを変えなければならなくなります。
そうならないためにも、原因の追求、即ち診査診断が重要なのです。
治療
治療計画の立案・説明
診査診断によって導かれた治療結果を患者様にご説明致します。
患者様の望むゴールを決定し、治療を開始します。
治療
お口の中を1単位とかんがえ、調和を目指した治療を行ないます。
保険の治療のように、一本一本の治療を繰り返すのではなく、関節の安定を測ったのち、治療が必要な歯に関しては、仮の歯に全て置き換え、インプラントや入れ歯などの補綴が必要であれば行い、最終的に仮の歯で機能が安定していることを確認したのち、最終的な被せ物を一変に行なっていきます。
治療法について
噛み合わせの治療は特定の治療ではありません。噛み合わせが何故悪くなったのか?その原因によって治療法は異なります。
最初の口腔内の問題点が起因である場合と、歯列矯正や欠損歯治療などを行なったことによって起こる場合もあります。
噛み合わせは特定の治療法ではなく、あらゆる治療法を駆使して、噛み合わせを治していくとイメージしていただければわかりやすいと思います。
治療の重要事項
治療計画におけるゴール設定において、重要事項があります。
それは、「最終的な補綴物は治療計画通りにする」ことです。
率直に、保険と自由診療の差になってしまいます。保険を悪く言うつもりではありませんが、残念ながら大きな差が存在します。それは、「素材・時間・制作方法」です。
回転寿司のように一定品質を数多く生産し提供するお寿司、高級寿司のように、職人の目利きによって選別されたネタと技術が凝縮されたお寿司では、味や満足度が全く違うことがご理解いただけると思います。
治療における最終補綴物は、それだけの違いがあります。インプラントか入れ歯かが問題ではありません。インプラントの最終補綴物・精密な本入れ歯が大切なのです。即ち、補綴物に特化した歯科技工士(経験豊富な寿司屋の大将)の存在が最も重要なのです。