根管治療成功のポイント
根管治療成功のポイント
根管治療は難易度の高い治療です。専門的な知識・技術・設備が整って初めて精度の高い治療ができると言えます。 このページでは当院が積んできた実績を元に、根管治療成功のポイントをお伝えしていきます。
成功のポイント①:正確な診査診断
正確な診査診断は治療計画を立てる上で最も重要と言えます。 診査診断が正確でないということは、木を見て森を見ずということになります。そのため、当院では精密な診査診断を実施しています。
診査診断に不可欠なCBCT
CBCTとはコーンビームCTと呼ばれています。
二次元検出器で読み取るので、患者様の周りを1回転するだけで三次元画像を作成できます。 それにより、
- 通常のレントゲンではわからない透過像がわかる
- 感染源を予測できるようになる
- 通常のレントゲンではわかりにくい根管の形態や根管の数がわかる
- 歯の状態(未処置根管や歯根破折など)を細かく把握できる
このように、治療前に得られる情報が圧倒的に多いので、 全体像が見える通常のレントゲン(X線写真)と併せて見ることで、診査診断のレベルが高まります。
成功のポイント②:抜髄しないこと(神経を残すこと)
神経を花に例えてみましょう。花は茎から栄養を汲み取り、分け与えて生息します。
その茎を切り取ってしまえば、栄養を失い花は枯れてしまいます。
つまり、歯の神経を取ってしまえば、健康な状態を維持することができなくなってしまいます。
当院では、VPT(生活歯髄療法)を用いて、残せる神経を最大限残す努力をしています。
成功のポイント③:感染部(細菌)の徹底除去と防御
根管治療は細菌との戦いです。
細菌を徹底的に除去することが必要になるのですが、細菌の除去だけでなく、細菌からの防御も必要になります。
そのために当院が用いている機器や器具、薬剤をご紹介します。
マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)
マイクロスコープは、肉眼では見えない神経や血管など根管内の細かい部分を正確に見ることができます。
一般的な根管治療では、手探りに近い状態で治療を行いますが、マイクロスコープは直径1mm以下の根管を目視で確認しながら治療できるので、 根管や汚染物質の見落としが減り、治療の精度が格段に高まります。
ラバーダム防湿
ラバーダム防湿は、唾液に含まれる細菌の侵入を防ぎ、根管を守るゴム製のコートです。
それだけでなく、薬や治療器具などの誤飲を防ぐ役割も持っています。
細菌の侵入を防がなければならない根管治療において、ラバーダムは必要不可欠なものであり、 ラバーダムなしに治療の成功はないと言えるほど、重要なアイテムです。
日本ではまだまだ使用している歯科医院は少ない状態ですが、治療のやり直しを発生させないためにも当院では必ず治療時にラバーダム防湿を行います。
ニッケルチタンファイル
ニッケルチタンファイルは柔軟性に優れ、根管形成に有用な治療器具です。
しかし、重要なのはどのニッケルチタンファイルを選択するか?にあります。
ファイルの破折リスクを十分に考慮し、効率的に根管形成ができるかを想定することが重要です。
つまり、ニッケルチタンファイルを使えば良いということではなく、口腔内の環境に応じて最適なファイルを選択し、質の高い治療を実現することが最も大切なのです。
MTA
MTAセメントは、従来の充填剤に比べて、
- 膨張するため、緊密に詰められる
- 強いアルカリ性のため細菌繁殖を防げる(持続力もある)
(バイオフィルム形成能を持つ微生物に対しても効果あり) - 粒子が小さいため、象牙細管内に入り込み、内部に侵入した細菌を殺菌することができる
など、世界では第一選択される薬です。 MTAにも種類がありますので、MTAを使えばよいというわけではなく、選択して使用することが重要です。
成功のポイント④:精度の高い修復物
仮歯と本番の歯の比較
根管治療の中でも、精度の高い修復物は重要です。
精度の低い修復物は、脱離や隙間から細菌の侵入を許してしまい、治療した歯を悪化させてしまう原因となります。
それを防ぐためには、1ミクロンまでこだわり抜いた修復物を作成し、マイクロスコープを用いて拡大した状態での治療や修復物のセットが重要です。 そのためには、シミュレーションやプロビジョナルレストレーション(仮歯の装着)を経て、適合性の高い修復物をセットすることが求められます。
衛生士の歯肉のコントロールがはじめの段階でちゃんとしてないと意味をなさない この修復物は、治療した歯を良好な状態に保つ予防的観点においても重要です。
プロビジョナルレストレーションについて
仮歯の形成
噛み合わせの調整
適合性の確認
プロビジョナルレストレーションは、最終的な修復物がセットされるまでに装着する仮歯です。
仮歯と言っても、ただ仮歯を装着するわけではなく、最終的な修復物をセットする前に、生理的・審美的・機能的などの側面から最適な状態を模索する段階でもあります。
つまり、プロビジョナルレストレーションは最終的な修復物の精度を高めるための最終調整であると言えます。
根管治療でお悩みの方へ
根管治療は非常に難易度の高い治療です。
知識・技術・設備が三位一体になって初めて成功する治療です。 根管治療をお考えの方、またはセカンドオピニオンをご希望の方はお気軽にご相談ください。