インプラントの治療について
インプラントは失った歯を取り戻す治療
虫歯や歯周病は歯を失う原因の代表的な病気です。しかし、お口の状況を考慮した上で、抜歯という選択をしなければならない場合があります。
歯を失うということは、食事や会話をするための機能を失うことになりますので、インプラントはその機能を回復するための治療となります。
手術を行う上で他の健康な歯を削る必要がなく、治療後も天然歯と同じように食事や会話をしていただくことが出来ると同時に、歯がないというコンプレックスから解消され、心の回復も期待できます。
症例で見るインプラント治療
CASE1
基本情報 | 40歳 女性 |
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主訴 | 前歯部クラウンの脱離のインプラントによる治療 |
治療期間 | およそ10ヶ月 |
治療費 | 453,600円 |
主な治療 | ・抜歯 ・インプラント埋入 ・軟組織移植 ・仮歯にて軟組織の形態修正 ・最終補綴物 |
リスク |
・臼歯部咬合高径の低下による前歯部接触増加 ・インプラント周囲炎 ・軟組織退縮による審美障害 ・インフラオクリューション ・不完全なインプラントと骨の結合 ・術後の腫脹 ・術後出血 ・軟組織の形態の過不足 |
CASE2
基本情報 | 65歳 女性 |
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主訴 | 欠損部分のインプラントによる治療 |
治療期間 | およそ3年月 |
治療費 | 885,600円 |
主な治療 |
・メタルタトゥーの除去 ・GBR ・インプラント埋入 ・軟組織移植 ・仮歯にて軟組織の形態修正物 ・最終補綴物 |
リスク |
・臼歯部咬合高径の低下による前歯部接触増加 ・インプラント周囲炎 ・軟組織退縮による審美障害 ・骨造成不足 ・不完全なインプラントと骨の結合 ・術後の腫脹 ・術後出血 ・軟組織の形態の過不足 |
インプラント治療とは
インプラント治療は欠損歯治療である入歯やブリッジと違い、インプラント体と呼ばれる人工歯根を顎の骨に埋め込むことで、健康な歯を削る・負担をかけるということがなく、天然歯に近い状態を実現することができます。
入れ歯やブリッジと比べると、異物感を感じにくく、しっかりと噛めるので顎の骨の健康にも良い影響を与えます。また、入れ歯やブリッジよりも清掃性が高く、きちんとメンテナンスを行えば、口腔内が綺麗に保たれます。
インプラント治療は、入れ歯やブリッジのデメリットを解決し、ご自身の天然歯のように食事や会話を楽しめる素晴らしい治療の一つです。 詳しい治療法と治療の流れは、別ページにてご紹介しておりますので、 そちらを御覧ください。
インプラント治療の成功率
インプラントの成功率は、論文発表では95%とされています。インプラント治療は歴史の中ではまだ新しい治療法ですが、日々の臨床や研究により安心できる治療法として確率されています。
一方でインプラントは知識や技術力、その後のメンテナンスの精度が求められ、難易度の高い治療法であることを留意いただく必要があります。
インプラントのリスク
インプラント治療を安全に進める上で、リスクを考慮する必要があります。
リスクは、「治療に関する歯科側のリスク」と「患者様ご自身のリスク」に分けられます。
これらを十分に考慮して、治療に取り組む必要があります。
治療に関する歯科側のリスク
手術に関するリスク
インプラント治療中に起こる偶発的な症状や合併症などを起こす要因は、手術を妨げる要因となりますので、十分に配慮する必要があります。
骨結合に関するリスク
インプラントを埋入した後、埋入した周囲の骨組織とインプラント体が結合します。この骨結合が妨げられてしまうと、インプラントが脱落(抜け落ちる)してしまうことに繋がってしまいます。噛み合う力などの物理的な観点と血流が悪くなる要因を考慮しながら治療をする必要があります。
患者様ご自身のリスク
・全身に関与するリスク
- 喫煙されている方
- 煙草を吸うと、血管の収縮が起こります。それにより、血流が悪くなり骨結合を妨げます。 また、煙草から発生する一酸化炭素が血中のヘモグロビンと酸素の結合を阻害するので、血液中の酸素が減ってしまいます。そのため、体内に流れる血中酸素量が減少し、脱落の原因となります。
- 糖尿病の方
- 糖尿病に罹患していると、インプラント治療に対して細心の注意が必要です。 高血糖やインスリン不足になると、骨芽細胞(骨形成を行なう細胞)の働きが悪くなり、インプラントの骨結合を妨げます。インプラント治療の前に十分な検査を行い、対応可能か否かを判断する必要があります。
- 高血圧の方
- 高血圧は動脈硬化との繋がりがあります。 ストレスがかかることで血圧があがり、血が止まらなくなったり、手術後に出血する可能性があります。高血圧はあらゆる要因によって引き起こされるため、生態系モニターを用いて監視を行いながら治療することが必要です。 また、静脈内鎮静法との並用を行い、血圧の上昇を防ぐ方法で治療を行なうことができます。 当院には麻酔医が手術の際には常駐しますので、十分な検査・判断を行い適切な方法を選択していきます。
- 貧血の方
- 貧血は酸素不足状態になるので、骨結合を妨げるだけでなく、治療部位が治りにくいなどの問題を引き起こします。それだけでなく、免疫力が低下することで、手術後に細菌感染してしまうリスクが高くなります。それによりインプラント周囲炎を引き起こす可能性をはらんでしまいます。
- 骨粗鬆症の方
- 骨粗鬆症は、骨の強度が低下してしまう病気です。骨の強度が足りないとインプラントを支えることができなくなるだけでなく、骨結合を妨げる要因となります。 骨粗鬆症に罹患されている患者様、特にビスフォスフォネート系のお薬を服用されている場合は必ず歯科医師に申告ください。 ステロイドの服用や抗血栓療法をされている方も、必ず歯科医師に申告してください。
- 歯周病・虫歯の方
- 歯周病や虫歯の方は、まずは治療を完了させてからインプラント治療に入ります。 理由は、歯周病も虫歯も細菌感染によって引き起こされる炎症が原因なので、インプラント周囲炎の恐れや骨結合を妨げる原因となります。
- 噛み合わせ(歯ぎしり・食いしばり)
- 噛み合わせに無理な力がかかりと、人工歯(クラウン/被せもの)が破損したり、対合歯に過度な負担がかかる可能性があります。また、歯ぎしりや食いしばりなどのブラキシズムが強い場合にも負担がかかり、骨結合の妨げになるので、噛み合わせを考慮した治療を行なう必要があります。
- 骨量や骨の質
- インプラントは十分な骨量がないと治療がうまくいきません。また骨の質が悪い場合にも骨結合がきちんと行われない場合があります。ですので、CTやレントゲンで十分に検査することが必要になります。当院には歯科用CTの設備がありますので、精密な検査を行なうことができます。 骨が足りない場合には、骨造成や骨再生と呼ばれるテクニックがありますので、他院では難しいと言われても諦めずに当院にご相談ください。
インプラントをご検討の方へ
インプラントをご検討の方は、お気兼ねなくご相談ください。
当院では精密な検査と診断、検査から導き出された綿密な治療計画を立て、患者様に満足いただけるインプラント治療をお約束します。
当院ではいきなり治療を行なうことはありません。しっかりと検査した上で検査結果・治療方針をお伝えし納得していただけた状態で治療に進みます。まずは、当院へ検査にいらしてください。